四国遍路の補習・復習Ⅱ～#2

2日目・1月29日の予定は、①徳島の西側・三好市から東みよし町までの4つの不動霊場巡りと、②香川県の三豊市本山から多度津町の別格18番・海岸寺まで歩く事です。→去年の巡礼の時には、70番・本山寺から別格17番・神野寺までワープした後に71番から75番を逆打ちしたので、歩けなかった70番から71番までの道筋を歩いてみる点と、71番・弥谷寺から別格18番まで山中を抜ける道があるのでそこを歩いてみる点が補習のポイントです。

〔不動霊場〕8番・長善寺

さて、まずは三好市・池田の町から東に15kmほど進んだ、東みよし町の徳島線・三加茂駅の最寄りにある「長善寺」を訪れました。東みよし町の歴史民俗資料館の南側なので、国道192号線に面した空きスペースに駐車させてもらいました。

左手に「最上位稲荷」の看板があります。

鳥居が示すように、神仏習合ということですね。稲荷なので、もとは穀物の神様なのでしょうが、「最上位」なので商工業にも霊験あらたかなのでしょうか。

踏切を渡った先に石段があります。

石柱が藤棚のようになっていました。不動霊場の柱の下に「質多羅童子」がいらっしゃいました。

阿波西国観音霊場にもなっています。

こちらのお寺は大同三年（808年）に空海が開基、天正12年（1586年）に火事に遭い、翌年、良玄僧正により再建されたとのことです。

石段上の山門です。

本尊は虚空蔵菩薩で、不動明王は「厄除不動」として信仰されています。

嘉永二年（1849年）火災で焼失し、萬延元年（1860年）に再建された本堂。

聖観音と弘法大師がいらっしゃいました。ちなみに阿波西国三十三観音は「西部」と「東部」に分かれているので、両方回ると66カ所になるようです。

阿波観音霊場は、札所が多いので迂闊に手は出せませんね（笑）。

〔不動霊場〕7番・加茂不動院（福性寺）

次は、東に1.5kmほど進んだ東みよし町役場から南に1kmほど入った所にある「福性寺」をです。実際にはそこからさらに4.5kmほど進んだところにある「加茂不動院」が札所なのですが、山道で離合ができないので「福性寺」に遙拝所が設けられているのです。まあ、行きにくいのでは仕方がないですか…。（88カ所や別格だったら行ったかもしれません…）

町中で場所は分かりにくいです。

坂を登ると「智慧幢童子」がいらっしゃいました。

「智慧幢童子」は書物のようなモノを持っていました。

「福性寺」のご本尊は延命地蔵菩薩、弘法大師の開基とされています。

本堂の左を通って裏の遙拝所に行くことができます。

遙拝所の案内札です。

赤い不動霊場の幡があります。

漆谷不動明王と智慧幢童子です。

童子は共通で作られているものより可愛いものが多い気がします。

本堂と納経所です。

〔不動霊場〕6番・不動院

次は10kmほど東に行った、三好大橋の近くに建つ、国道192号沿いのお寺「不動院」です。本堂手前に少し大きな観音様が立っていました。

意外と奥行が広いです。

こちらが、本堂です。平安時代にの高僧・覚鑁上人が彫刻した錐揉不動を和歌山県九度山から移転させたとのこと。

幡がいっぱい立っています。

本堂手前に「計子爾童子」がいらっしゃいました。

ヨガのようなポーズをされています。

観音様の下は光明殿という造りになっていました。

一番手前に納経所があります。

祠の向こうが山門です。

納経所は「d払い＆メルペイ」の支払いが可能です。お菓子のお接待をいただきました。

建物に比例して綺麗な納経所です。

〔不動霊場〕5番・密厳寺

お次は、吉野川を北側に渡り、池田ダムの辺りから山を登った「密厳寺」です。

300mほどクネクネと登りました。

こちらのお寺は、弘仁七年（816年）弘法大師により、讃州本山寺、阿讃境中蓮寺と共に一種一様一我を以って一夜に建立さられたと伝えられています。

右側が本堂です。

大きな六角大不動堂が建っています。

立派な建物でした。

右側に「無垢光童子」が、

何か持っていますか…。

左側に「弘法大師」がいらっしゃいます。

修行大師ですね。

こちらのお堂には、弘法大師の爪彫の作とされる爪彫不動と、矜迦羅童子、制叱迦童子が祀られています。

巨大なけやきの霊木を一刀三礼、一木作りにて製作されたとのことです。

こちらはその他に多くのお不動様を祀っています。

なかなか壮観です。

大黒天のいらっしゃるところは展望台になっていました。

寿山峡の文字があります。

池田の街並みが見下ろすことができます。

ここにはユースホステルも併設されていますが、歩きだと大変です…。

〔補習〕70番・本山寺～71番・弥谷寺～別格18番・海岸寺

さて、今回の徳島の不動巡りは終了で。ひとまず香川県に入って11:00に本山寺の近辺に来たので、腹ごしらえをします。

11月に引き続き「かなくま餅福田」です。

前回は普通のうどん汁だったので、今回は白味噌を選択しました。

餅に"あんこ"がはいっているのでこちらの方が合うかなー。

さて、この後本山にある不動霊場・30番妙音寺に寄ったのですが、お昼時のせいか納経所に誰も出て来ないのでまた来ることにしました。

門前の改修工事中でした。

昨年の6月30日の巡礼の際には、70番・本山寺を訪れた後、この「you meタウン」で昼食を食べ、まんのう町の別格17番・神野寺に向かったのでした。今回はこちらの駐車場に停めて、71番・弥谷寺経由で別格18番・海岸寺まで歩き、帰りは電車で「本山駅」まで戻って来たいと思います。（本山駅からこのモールまで15分程度）

こういう施設があると長時間駐車できて助かります。

さて、12:22に国道11号を北に向けて出発です。あー、そういえば、6月も車線拡幅工事やってたな…。

妙音寺は右手の森（神社）の裏になります。

30分ほど歩くと景色に変化がありました。大きな池が見えてきました。

弥谷寺まで7.9kmの案内ありです。

西側の景色です。

すごく大きな池のように見えますが、地図で近くにもっと大きいのがありました。

池の端のあたりで、「三豊市豊中町」から「三豊市高瀬町」に入ります。おや、ここで池と池の間の道を行くようです。

池の間を左に曲がります。

やはり、ため池天国の香川県ですね。

しばらく国道と離れて池に沿って歩きます。

右側に国道沿いのダイソーやケーズデンキが見えます。

このまま細い道を行きます。

左に中腹が平らな山が見えてきたので、お城でもあったのかと気になったのですが、採石のために削られてしまった爺神山でした。住宅街の間を進んで行きますが「高瀬駅」が近いようです。（市役所ま最寄りは三豊駅です）

爺神山はさぬき七富士の一つだそうです。

高瀬川のところで左に曲がり、川沿いを行きます。

右「茶処高瀬」の看板があるけど、左への案内看板があると左に行っちゃうな…。

下流で橋を渡って、細い県道221号をたどって行くと、10分ほどで「どっち？」と思われるお宅に出ました。石柱が立っていて左の案内になっていました。右に行くと国道に出てしまいます。

昔からお遍路さんの分岐点なんでしょうね。

左に進むと歴史のありそうな碑などがありました。

（左）いや谷三十九丁　（右）へんろみち　と記されているようです。

その弥谷が見えてきました（以前巡礼した時には北側・右の山側から逆打ちで進んでましたからね）。

あの山を越えないといけないな！

道沿いに3,500円で宿泊できる「七宝屋」なる宿があるんですね。つい、瀬戸内側は便利なビジネスホテルが多かったため（時間を気にせず逗留できるため）お宿の割合が減ってしまいました。今度巡礼する機会があれば、瀬戸内側の民宿などを活用したいものです。

英語の看板なので通常期はインバウンドの方が多いのでしょうか…。

徐々に山が迫って来ました。14;00。

電柱にも「弥谷寺」の文字が…。

大見の町中を抜けています。

大師堂のようです。

1.7kmの表示がありました。目測では距離も標高差もありそうなのですが…。

これだけシールがあれば間違えないかな…。

県道48号を横切る手前で弥谷寺の石柱が現れました。14:15。

意外な所に石柱があるんですね。

その先、左側に八丁目大師堂が見えた所で主要道から左に分かれて進みます。

左は大師堂の関連の小屋なのかな？

ずいぶんマイナーな道になりました。

石仏が多くて風情があります。

細い道を進むと、右からの主要道に合わさり、道の駅「ふれあいパークみの」が現れました。→そうそう、ここは曼荼羅寺から弥谷寺へ逆打ちした際に時間がなくなり、バスで詫間駅に行く途中で通っています。懐かしー。

ここは宿泊もできます。後からガスルー氏が泊まっていたと聞きました。

右手に歩を進めていくと弥谷寺への駐車場の道になります。

〔復習〕71番・弥谷寺

車は左に上がっていきます。

歩き遍路は途中から石段を上っていきます。T字になっており、曼荼羅寺へは右に行きますが、弥谷寺は左です。ほどなく仁王門が現れます。

金剛力士様、お久しぶりです。

この後、金剛拳菩薩像、百八階段を登り、大師堂の脇を通って求聞持窟まで上がります。ここで、海岸寺までの道は右に行きますが、一旦本堂をお参りしましょう。

おっと、崖摩仏の手前に「経木」がありました。願い事と氏名を記入したうえで、経木に水を掛けるのですが、前回お願いしていなかったので今回お願いたしました。

確か10番・切幡寺でも見かけました。

こちらに並べます。

よろしくお願いします。

14:50に本堂でお参りです。

先客の方がいらっしゃいました。

71番札所

: DSC_1278

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前回来た時よりも展望が良いです。

200m近く登ったのかな。

さて、15:00近くになりました。前回の巡礼の際には弥谷山の東隣の天霧山の南から東の山裾を通って海岸寺に向かった訳ですが、弥谷山と天霧山の間を抜ける道があるのです。今回はここを通りたいと思います。

一路、天霧城跡方面へ。

若干の登り勾配で進みます。少しするとこの辺りのルートを示した地図が掲示してありました（あんたはエライ）。どうやら、へんろみち保存協力会のルート以外に登山道として水色の道があるようです。この地図では示されていませんが、弥谷山と天霧山のちょうど真ん中に「海岸寺分岐」の文字がありましたのでちょっと安心です。