四国巡礼が終わって3ヶ月後の10月に、秩父観音霊場巡りを行っておりました。これは、四国でご縁ができたバタンキュー21（BQ21）氏の知人の空海シスターズ（空ちゃん、海（まりん）ちゃん）が四国巡礼志願者なので、実地訓練!?として秩父に行ってみようということになったのです。BQ21氏も私も秩父巡礼は初めてです！
秩父へはラビューでGO！
西武は川越行きの特急「小江戸」には乗ったことがありましたが、秩父行きの「ちちぶ」は初乗車です。《6;50発・ちちぶ3号です》
弾丸のようなデザイン。他社ではなかなか無いですね。
また、この窓の大きい事！途中の飯能駅からスイッチバックのため、向きが逆になりますがご愛敬（コロナ禍のため座席の転換などは遠慮するようにとのこと…）。
これで特急料金710円、乗車券790円と合わせて1500円と心憎い価格。
さて、8;14、西武秩父に到着しました。本日はBQ21氏と海ちゃんが参加です。BQ21氏はこの後すべて歩きでお参りし、私は明日までの参加、海ちゃんは本日だけの参加です。
朝方雨が残っていました…。
1番に向かうには「皆野（みなの）」行or「定峰（さだみね）」行に乗ります。「定峰」行は「札所一番」のバス停の一つ手前の「栃谷」で降りる必要があります。
今回は8:25「定峰」行です。
20分少々バスに乗りました。「栃谷」で降りて身づくろいです。
雨降ってますからね…。
【1番・四萬部寺】四萬部の経典の読誦より命名されたお寺
さて、徒歩5分ほどで札所一番・四萬部寺に到着します。
こちらへは前述のバスの他に、秩父鉄道の「和銅黒谷」駅or「大野原」駅から歩いてアクセスする方法もありますが、いずれも40分ほどかかります。「和銅」とは日本最古の貨幣「和同開珎」のことで、近くに鉱山があったそうです。
コンパクトな山門です。
【『観音霊験記』の縁起によると、1007年（寛弘4年）幻通の創建である。播磨（播州）書写山性空上人の「武蔵国秩父は観世音菩薩有縁の地なり、彼の地に行きて教化せよ」との命を受けて弟子の幻通がこの地に至り、里人を教化して朝夕妙典四萬部を読誦して供養を行い経塚を築き、秩父第一番の霊場としたものとされる。また、四萬部寺の名前はこの縁起によるものである。～ウィキペディアより】
本堂への参道の左側には各生まれ年の守り本尊、奥にはお釈迦様、鐘楼が建ってます。
本堂は小さいながらも、大きめな千鳥破風（三角形の部分）が特徴的で、1697年（元禄10年）建立とのことです。
【ご本尊】聖観音 【ご真言】おん あろりきゃ そわか
堂内に上がって参拝できます。
正面の左右に「地獄之図」「極楽之図」の彫刻がありました。本堂も朱塗りなので出来た当初は鮮やかなお堂だったのでしょうね！
歴史を感じます…。
本堂右脇に立っている「施食殿」。毎年8月24日に行う「大施餓鬼」のためのお堂で、この時に先祖の霊、水子の霊の他に蚕の霊、牛馬家畜の霊、ペットの霊を供養する。赤い大位牌に施主の名を書くとのこと。このためのお堂は全国でも珍しいそうです。
曹洞宗では「施餓鬼」ではなく「施食」というらしい。
この他、堂の裏手に水子地蔵など多くの像が建っていました。
裏山の斜面です。
参道左手前には納経堂がありました。
小さいながらも立派です。
参道の右側に納経所があります。納経時間が四国と異なり8:00～17:00で、12:00～12:30が昼休みになる点と11月から2月は16:00までである点が注意点です。納経帳への書き入れ朱印は300円、掛け軸とおいずるへは500円です。海ちゃんは必要な物を買いそろえて、初のお参りをしました。
1番札所なので品数が豊富です！
やはり四萬部寺は、江戸時代には1番札所となっていたお寺なのでパワーをもらえた気がしました。
BQ21氏と、海ちゃんにお参りの作法など教えつつも、四国と違い、十句観音経を唱える点や大師堂が無いので二カ所でお参りする必要が無い点などを認識しました。今また、回はお寺毎にご詠歌も唱えることにしました。
四国巡礼を考えている方は、秩父巡礼をしておくと非常に参考になると思います。→霊山寺でワタワタしていた事を思い出しました。
1時間ほどお邪魔しました。10:15に2番に向かいます。距離は2.1km。
まだ、小雨がパラついています。
四萬部寺の前には「旅籠一番」なる旅館があります。
風情のあるお宿のようです。
元禄・宝永年間の道しるべです。
やはり歴史のある巡礼道ですね。
歩いていると、如意輪観音のお堂もありました。
傘の上に左への矢印がありました。案内板重要です。
歩き出しは郊外の住宅地のような所でしたが、高度が増してきたところから四国の山の中なのか？どこの林道？というような道になってきました。
ところどころ、この「巡礼道」プレートがあります。
ようやく終点と思われる所（その先は行き止まり）に「札所二番→」の看板がありました。
意外と登らされましたね…。
右に曲がると下りなのか!?と思われたところに左への看板がありました。
左側が駐車場のようです。
【2番・真福寺】34観音になる際に追加されたお寺
【長享年間（1487年～1489年）の水害で秩父三十三箇所から外されたが、信者からの復活要望で室町時代後期に34ヶ所目の札所となった。また、これにより、西国三十三箇所、坂東三十三箇所に秩父三十四箇所を合わせて百観音霊場となっている。当初は現在「古堂」と呼ぱれるところに奉祀されており、その後、江戸時代の初期に高篠山の中腹の現在地に移って諸堂のある大伽藍を構えていたが1860年（万延元年）の火災により焼失した。現在の観音堂は1908年（明治41年）に再建されたもので、入母屋造銅葺屋根、三間四面の構造である。～ウィキペディアより】
【ご本尊】聖観音 【ご真言】おん あろりきゃ そわか
階段の上には寺務所でしょうか…。
階段上を左手前に曲がると観音様がいらっしゃいました。
本堂はこの左上です。
明治になって再建されたとはいえ、どっしりとした造りの本堂です。無人なのが残念ですが、来る道すがらへんぴな感じがしたし（標高約400m・街中は220m程）仕方がないですか…。10;20に到着です。
【ご本尊】聖観音 【ご真言】おん あろりきゃ そわか
静かな山中に建つお寺。
無人のため、納経は麓の光明寺で行っています。ここから2km弱なので移動しましょう。
写真を撮り忘れてしまいましたが、下りの途中に道路をショートカットする巡礼道があり、歩いていて気分が良かったです。舗装道路に戻りトイレが見えてくると半分くらいです。
途中にある立派なトイレ。雨も止んだかな…。
右を流れていた川を渡り、分かれている道を右に進んで秩父電子が見えて来るともうすぐです。すぐに右側に光明寺の石柱が見えてくるので、右に曲がります。
奥に進んだ所が光明寺です。
山門はありませんが、仁王様がお出迎えしてくれます。11:40。
1312年に鎌倉・建長寺から法長国師を迎えて建てられたとのこと。
こちらが納経所です。
立て看板に「池にアヒルもいるよ」と…。
おー、いました！
元気なアヒルさんたちでした。
さて、武甲山が見えていますが、3番のお寺に向かいましょう。
6合目位からセメント用に削られちゃってます。
3番に向かう途中で12:00になりました。そういえば、12:00から12:30はお寺も休憩時間ですね。我々も昼休憩にしましょう。
県道沿いに良さげな食堂がありました。
こちらの「ましお」ではソースカツとラーメンのセットをいただきました。
秩父名物「わらじかつ」ではなかったですが旨かったです。
県道から東に入った所で横瀬川を渡ります。
都内と比べると清流です！
ほどなく、3番・常泉寺に到着しました。13:00。
【3番・常泉寺】16世紀に岩本観音堂が移設されたのが始まり
【1234年（文暦元年）3月18日、覚了和尚の開山と伝わり、当初は高篠山の中腹の岩窟に所在したと推定されている。その後、当地の名主堀内、家が現在地に建立し札所を移したと伝わっている。1847年（弘化4年）の火災で本堂が焼失したが、1858年（安政5年）に再建されている。また、本堂左手の観音堂は、1870年（明治3年）に秩父神社境内にあった蔵福寺の薬師堂を移築したものであり、宝形屋根、三間四面の構造である。～ウィキペディアより】
【ご本尊】聖観音 【ご真言】おん あろりきゃ そわか
こちらもオープンの仁王様がいらっしゃいます。
正面に建っているのは本堂で、観音堂は左側の高台の上にあります（本堂では略式でお参りさせていただきました）。
本堂の子持石。この石を抱くと子が授かるとか…。
本堂左手には六地蔵、文殊堂が建っています。
手前に池があります。
その前を通り過ぎます。
高台を登ると…。
こちらが、秩父神社境内にあった蔵福寺の薬師堂が廃仏毀釈で移築されたものです。
江戸時代後期の作とのこと。
お参りを終えて外から観音堂を望んだところ。13:50。
低い山を背にして左右にお寺が建っていて、左奥に進むと18番に向かえます。
さて、続いて4番は1.4kmと割と近いです。途中、横瀬川を人道橋「秩父ふるさと歩道橋」で越えます。
食事をとって、足取りの軽い2人。
【4番・金昌寺】仁王門と石仏のインパクトが強い！
【『観音霊験記』によると、当地に数々の悪行を重ね忌み嫌われていた荒木丹下と言う男がいた。そこに巡礼の娘が来て食べ物を乞うたが、丹下は娘を打ちのめした。ところが、実は娘は仏の化身でその力により丹下は改心させられ、仏道に帰依し観音堂を建立したと言う。このため、この寺は荒木寺あるいは新木寺とも呼ばれ、古く高篠の山中にあったが、その後、荒木(山田)に移されたと言われている。～ウィキペディアより】
【ご本尊】十一面観音 【ご真言】おん まか きゃろにきゃ そわか
楼門形式の仁王門が圧巻！わらじが小さく見える！
こちらの仁王様は秩父最大2m級で、睨みを利かせている！
入って右手に十一面観音が祀られています。
こちらも高い！
境内に入ると石仏の数がスゴイ！1300体以上あり独特な雰囲気が…。宝永年間（1704～1711年）以降に当寺に奉納された石仏とのことです。
右手の本堂に上って行く。石仏が多くてまるで本堂に人が居るかのよう…。
良い感じに古びた本堂です。
江戸時代中期建立。
帰り際に内側から仁王門を見たところ、二階にも人影が…。
五百羅漢とのことです。
こちらでは丁寧に納経してもらいました。さあ、次は1.5km先の5番に向かいます。
15:00を過ぎたところで、横瀬町ではラジオ体操が流れてきました。
まだ余裕があるのか体操をする二人。
15:13に急に仁王門が見えてきました。
塀も柵もない不思議な空間です。
【5番・語歌堂】和歌の奥義について語りあったことに由来する
【長興寺の大旦那である本間孫八により建立された。語歌堂と言う名前の由来についてはこのような伝承がある。孫八は和歌の道に親しむ風流人で歌の道を極めようと精進しており、ある日ひとり堂にこもって歌想を練っていた。そこへ1人の僧が訪ねてきて、2人は夜を徹して和歌の奥義について論じ合ったが、翌朝孫八が目を覚ました時には旅の僧の姿はすでになかった。実はこの旅の僧は救世観世音菩薩（聖徳太子という説もあり）の化身であり、それを悟った孫八はこの観音堂を語歌堂と名付けたと言う。現在の観音堂は文化年間（1804～18）地元棟梁の作として伝えられており、四間四方の方形造りで仁王門を構えている。～ウィキペディアより】
【ご本尊】准胝観音 【ご真言】おん しゃれい しゅれい じゅんでい そわか
良き街中の広場的な雰囲気が素敵なお堂です。文化年間（1804～14年）に建立されました。准胝観音は西国・坂東・秩父の百観音のうちこちらと西国の上醍醐寺の2カ所しかないようです。どれどれ、ご真言は…、うーん、他のものに比べて不思議な呪文のようです。
ロウソク、線香立てはありませんでした。
こちらも無人のお堂なので、近くのお寺に納経をお願いしに行きます。今回は徒歩2分の長興寺なので、すぐそこに見えています。
あの大きな屋根ですね。後ろはお墓かな…。
こちらから入門します。15:30。
5カ所目なので、入門時の会釈もみについてます。
さて、納経いただき6番へは2.7kmあります。6、7番は近いのでどちらかまでお参りできるかな？
寺を出てローカルルートを進みます。向こうには武甲山が見えてます。
グラウンド横を通ったり、住宅街を抜けたりして進んで行きます。
この先遊歩道とのことです…。案内板にカワセミ？
確かに車は通れません。
ここにもカワセミ1羽。
さらに武甲山が近くなってきました。
夕方のラストスパート！
7番の門前を通り過ぎて、6番の門前のお地蔵さん（ねがい地蔵）にご挨拶です。16:15。
小さなお地蔵さんが並んでいます。‥子育て延命地蔵とのこと。
【6番・卜雲寺】トヶ池にあったから卜雲寺？（荻野堂）
【卜雲寺は1638年（寛永15年）の創立である。開山は撫外春堂、開基は卜雲入道（嶋田三河守四郎左衛門の法名）。また、萩野堂縁起絵巻によると、当初、荻野堂は苅米5区の竹の後に「卜ヶ池（とがいけ）」という大きな池を埋めて建立され、武甲山頂の蔵王権現社内に永く鎮座していた聖観音が荻野堂に移されたと伝わる。後に荻野堂は火災で消失し、1760年（宝暦10年）に別当寺の卜雲寺に移し再建された。その後、1876年（明治9年）8月、火災にて卜雲寺の本堂や荻野堂、庫裏などが全焼し、1907年（明治40年）頃に寺の堂宇が再建された際、荻野堂の本尊聖観音は本堂に遷して祀られている。～ウィキペディアより】
【ご本尊】聖観音 【ご真言】おん あろりきゃ そわか
山門はありません。撮り忘れましたが、奥の建物が本堂です。
入って左手前に並ぶ六地蔵と奥が薬師堂です。
夕方はあわただしくていけませんね。
お稲荷さんも建っていました。
きつねが並んでいます。
さて、16:40に7番に向けて出発です。先ほど通り過ぎており0.7kmとわかっているので気が楽です。
だいぶ陽が傾いてきました。
16:47に7番・法長寺到着です。
本日、最後のお参りのお寺です。
【7番・法長寺】牛にまつわる伝承のあるお寺（牛伏堂）
【法長寺は、凉堂寒清大和尚（1606年（慶長11年）寂）が開山したと伝わり、開基は内田家2代図書頭重賢である。元々、札所七番は牛伏堂で根古屋3区の牛伏にあったが、1782年（天明2年）の火災で牛伏堂が焼失し本尊の十一面観音像が別当寺の法長寺本堂に遷されたため、現在は法長寺が札所七番とされる。牛伏堂の由来には諸説あるが、その中に平将門にまつわる伝承がある。花園左エ門という者の家来が、平将門と戦って敗れこの地で亡くなった。やがて承平天慶の乱が終わり、その妻がこの地を訪れると夢に夫が現れ「将門と戦ったため、村のある家の牛の子に生まれて苦しんでいる。」と告げた。妻はただちに尼となって観世音菩薩に仕えたところ、その功徳によって夫の苦しみがなくなったというものである。また、別の伝承では、牧童が草刈りをしていると一頭の牛が現れ、その牛は地に伏して動かなくなってしまった。一夜が明け、牛の姿はなく十一面観音像があった。このため、牛は観世音菩薩の化身だったと考え、十一面観音像を祀り牛伏堂を建立したと言うものもある。～ウィキペディアより】
【ご本尊】十一面観音 【ご真言】おん まか きゃろにきゃ そわか
唐破風の位置が真ん中じゃないのがユニークです。
牛伏堂由来のウシです。
おびんずる様のように撫でられているようです。
本日は1～7番のお寺を巡る事ができました。
武甲山、明日もよろしくお願いします。
一路、1kmほどのところにある、横瀬駅に向かいます。
駅に向かう途中から法長寺を望む。手前は横瀬橋。
15分ほどで駅に到着です。
よく歩きました。
今回は、海ちゃんは帰宅するのでお見送りです。
弾丸ライナー到着。
懲りずに続きを頑張りましょう！（→これは、ハマるな…）
では、また！
BQ21氏と私は、1駅乗車して西武秩父へ…。徒歩で御花畑駅方面に歩き、夕飯として「珍達そば」に入店しました。
今日は日曜日なので19:00まで開いてましたが、平日は16:00までです。
いやー、食べられてラッキーでした。ネギが多く入った醤油ベースのごま油の効いた優しいお味のラーメンです！
歩いた後にはたまりませんなー。
食事の後は、西武秩父駅のすぐ横に「祭の湯」で汗を流し、本日のお宿「働Co-living」にチェックインです。
4人単位でベッドがあるスタイルです。
働く人のためのスペースもあり、リモートワークが可能です。
ちょっと小ぎれいです。
風呂はありませんが、共同のシャワー室があります。
祭の湯で入ってきたので使用しませんでしたが…。
とりあえず、無事1日目終了です！