雑記帖

紋章について~後編

2023年1月16日

昨日から「市章」等の紹介をしていますが、後編も行ってみましょう!

③デザインがズバリその地域の形のタイプ

次の2つは「県章」なので見た事のある方も多いと思います。⇒アッパレなデザインですね。

言わずもがなの左は『静岡県』です。「伊豆半島と御前崎の海岸線の北側には日本のシンボル富士山を背負ってるんだゼ!」と言わんばかりのアピールに満ち溢れたデザインで、地図は北を上にする教育を受けた私としては、残念ながら『山梨県』で同じデザインはできないなと思いました。

右は『石川県』です。能登半島を上手く使ったデザインに加えて、県名も入れて来るとは全く恐れ入りました。ただ、冷静に地図を見ると、縦の二本線の部分は富山県の領域ではないかと思われます。他国だったら戦闘機のスクランブルを受けているはずです(いや、そんな筈はない…)。

④「市章」とは別に「シンボルマーク」を使うタイプ

次は「市章」には古さを感じたのか別に「シンボルマーク」を作っているケースです。

こちらは私も5年間住んだことのある『郡山市』で、左が「シンボルマーク」、右が「市章」です。「市章」は江戸時代から使われている「山」の漢字の書体を図案化したもので国道にはこちらが掲示されている所もありました(ベンツマークと呼ばれていた)。新旧並べると「郡山」と読めるのでセット使用もありかも(笑)。でも、やはり現代になってからのデザインを作りたかったのでしょうか。⇒緑の楕円が猪苗代湖、赤丸が太陽、青線が安積疎水、緑線がそれらではぐくまれる自然を表しているとのことです。なるほど、説明してもらうとわかるのですが、私のような単なる看板好きからすると、「市章」の方が見て「山かな?」とわかるので個人的には好きなのです。

もう一つ、同様に『いわき市』の「シンボルマーク」と「市章」です。こちらは色がついただけでちょっと残念。⇒ただ、新しい方で躍動感などを出したいのかなというのはわかります…。⇒「い」が人を表しているとのことです。

①' 市の名称を謎解きにして形にしたタイプ

そうそう、「①市の名称を形にしたタイプ」を紹介しましたが、派生形として「①'市の名称を謎解きにして形にしたタイプ」があるので追加します。どういう事か見ればわかります。え、"雪の結晶"と"ひまわり"ではありません。

左側は『福岡市』です。なぜなら「フ」が9つあるから「福」なのです。「岡」はどこに行ったかって?どこに行ったんでしょうね…。でも、デザインはキレイです!

右側は『福島市』です。なぜなら外周に「フ」が9つあって「福」、4つ「マ」があるから「島」。こちらはちゃんと「福」の下の文字も謎解きセットになっていますよ。

この辺りは日本の「シャレ」の文化というか、まあ、一つまちがえるとオヤジギャグのような気もするのですが…。地名・人名などで「葦田(あしだ)」は「悪し」に繋がるから「よしだ」と呼んで「吉」にしてしまう世界に通じる気がします。うーん、面白い。

せっかくなので、もう2セット。「アカネ」でも「マルコメ」でもないですよ。

左は『根室市』です。「ネ」を最初に読んで、6つ「ロ」があるので「室」だそうです。

右は『久留米市』です。9つ「ル」があり「久留」、後から「米」を読むタイプです。行政は作成する時に真面目に検討したんでしょうか…。

事件発生!

え、東京オリンピックでもないのにデザイン盗作疑惑?どういう事ですか?

むむっ、これはダメでしょ、外側はほぼ一緒じゃないですか!どこの市章ですか!

実は、左が『目黒区』、右が私が住んでいる『台東区』です。目黒区のHPからは目黒村だったころの大正8年の作成、台東区のHPからは昭和26年作成ということがわかりました。うーん、台東区が不利な立場に…。でも、全く関係ない視点で言わせてもらうと、なぜ目黒区の中に入っている文字は「目」ではなく「日」になっているのかと…(動物の目のように見せたかったのか?)。また、なぜ目黒区は外側を六角形のような形にしたのか?⇒台東区は外側を「東」のデザインにしたのでこの形になったとの事。まあ、同じ23区で長い間話題になっていなかったようなので(本当はどうなのかわからない)、事を荒立てずにドローにしておきますか!

再度、事件発生!

えっ、今度は公然と2つの市章をマネしている自治体がある?そんな事ってあるの?マネされた市章はどれですか?

この左側は先日紹介した『大阪市』と…。右側は『京都市』ですか。二つの府の県庁所在地に対して盗作するとはいかがなものでしょうか…。それは…。

こちらですか!これはどういう事でしょうか。

はい、実はこちらは『高槻市』の市章です。『大阪市と京都市の市章を組み合わせ、高槻の高をかたちどったもので、京阪両都のちょうど中間に位置し、大きな役割を果たしながら、両都とともに発展する本市の姿を表しています(高槻市HPより)』とのことです。

なるほど、盗作ではなく、リスペクトといった感じですか。これなら大阪市も京都市も胸を貸した形で納得がいくかも…。ハイブリッドな市章の作り方ですね!

また、また、事件発生!

えっ、次は何ですか?

いやー、いまさっき見た形じゃないですか!

これは、『泉佐野市』の市章です。『「サノ」の文字が末広形に図案化されたこの市章は、未来への無限の可能性を秘めた市の躍動する姿を象徴しています(泉佐野市HP)』とのことで、大阪市への言及はありません。んー、ここはタモリ倶楽部の一部ロゴにも似ているということで、グレーに幕引きをしておきますかー!

と、今回は一部をご紹介しましたが、細かく見ていくと面白い「市章」等のデザイン、是非、訪れた都市がどのようなモノか注目してみて下さいね。

(おわり)

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