遍路旅

四国遍路の補習・復習Ⅱ~#4

4日目・1月31日は、愛媛県の残りの不動巡りと伊予の一宮・大山祇神社を巡る日程です。①西条市の極楽寺、②今治市朝倉の満願寺、③今治市玉川町の光林寺、④大山祇神社、⑤松山市内宮町の玉蔵寺です。今日は、一旦、松山で宿泊しているので、西条に戻って、北の今治に向かい、またその上のしまなみ海道で大山祇神社に行って松山まで帰るというトライアングルの左下から反時計回りで戻る感じですね(大山祇神社は紐の持ち手部分でしょうか)。さあ、最終日も200km以上のドライブになりそうです。

〔不動霊場〕23番・極楽寺

西条市のJR予讃線「伊予氷見」駅から南の石鎚山方面に10kmほど入った所に23番・極楽寺はあります。加茂川沿いに旅館なのではないかというようなビル!?が建っています(天理市でよく見かける光景です)。

山あいなので道路沿いに広く

お寺の前身は役行者が今の極楽寺の対岸の龍王山に建立した天河寺(てんがじ)でしたが、室町後期に炎上してしまったので、その時の住職がその龍王山を望めるところに再興され、それが極楽寺となっているようです。

こちらの県道沿いは「別院」という区画で、天河寺にあった石鎚蔵王大権現のうち焼け跡から掘り出された「金剛蔵王権現」が祀られている蔵王殿があります。左端に「佛守護童子」の後姿が見えていますが、お姿を撮り忘れました。

ビルのような建物の隣の蔵王殿。

2014年に「龍王吼(りゅうおうく)大権現」「無畏宝吼(むいほうく)大権現」が加えられて昔の三体が揃われました。こちらに、波切不動明王もいらっしゃいます。

天狗の額が山岳信仰を思わせます。

ビルのような金剛閣にてご朱印をいただいた後、本堂のある「本坊」の区域に向かいます。

建物の右の階段を上っていきます。

すると、長い階段の途中に「中門」と呼ばれる門があります。

意外な所に立派な門が…。

入って右脇に「如意輪観音」がいらっしゃいました。

変わった所に、まるで門番ですね…。

そして、階段は一旦右に行った後、また結構な距離を登ります。

運動部でダッシュさせられたら嫌な階段です…。

ようやく上部にたどり着きました。こちらが本堂です。

阿弥陀三尊仏が祀られています。

六角地蔵堂です。

奥には稲荷、弁天、八大竜王社などもありました。

光明真言義民堂なるお堂がありました。1664年、米による年貢に替えて、銀で納められないかと藩に直訴した庄屋とその近い方々16名が打ち首にされる事件(銀納事件)があったそうです。それから6銀での年貢が認められ、その先祖を供養するために建てられたものだそうです。

先人の苦労があったのですね。

さて、お参りも終わりましたので、一旦西条に戻ります。

加茂川下流の黒瀬ダム。

伊予西条駅近くの「鉄道歴史パークin SAIJO」に寄ろうとしたところ、コロナにより休館になっていました…。

残念!でもこの休館が後で功を奏します。

〔不動霊場〕21番・満願寺

さて、次は今治に向かう途中の「伊予桜井」駅から内陸に入った朝倉という町にある満願寺です。こちらは旧朝倉村でしたが、今は今治市です。手前の湯の浦温泉まで高速道路が伸びていましたが、町のちょっとはずれでは高速道路の工事をしていて、寺に入るところもちょっと分かりづらくなっていました。

やけに立派な門前!

こちらは、かつては金毘羅大権現が本尊とされていたようですが、明治初期の廃仏毀釈の際やはり一時廃寺になったようです。壇家の信仰により再興して、本尊は薬師如来となっているようです。

仁王門です。

門の脇には「大光明童子」がいらっしゃいました。

何か巻物のような物を持っています。

仁王様はとっつきやすい感じのお顔立ちです。

それにしても綺麗なお寺です。

石をふんだんに使っています。

絵馬堂はピカピカです。令和3年建造。お寺で馬、絵馬と聞くと別当寺だったんだなと思えるようになりました。

絵馬が両脇にかけられます。正面には神馬が…。

こちらは薬師堂です。こちらは1785年に建てられたようなのですが、令和3年に改修されたそうです。

こちらもピカピカ。

護摩堂です。こちらに不動明王が祀られていますので、特にお参りします。

昭和63年改修とのことですが、新しく見えます。

こちらが、金毘羅本殿です。

1844年建立です。

内陸部を望みます。

のんびりした景色でした。

こちらが納経所です。こちらのお寺は古い建物もちゃんと改修されているので、すべて新しく見えます!

こちらも変わった造りですね…。

奥の院もあったようですが、お昼も近いので、先を急ぎましょう。

〔不動霊場〕20番・光林寺

次の光林寺は10km少々とさほど遠くないので、昼食は後回しにしてお参りしましょう。場所は88カ所・58番仙遊寺から直線距離で5km程のところで、鈍川温泉との間くらいにあります。

県道163号で案内看板が出てくるのですが、細い集落の道を上っていくので大丈夫かなと思っていると急に山門が見えてくるのです。道路は向かって右側に付けられています(88カ所・10番切幡寺の山門のごとし)。

対向車が下りてきました。

こちらの仁王様です。

駐車場に車を停めてみると、「ここはお寺?」と思うような変わった光景がありました。石垣、高い変わった建物、吹き流し…。

ここは要塞?

境内に入ってみると、変わった大黒様?狛大黒様?がいらっしゃいます。

色違い…。

その一歩奥に「因陀羅童子」がいらっしゃいました。

筒状の物を持たれています。

こちらのお寺は701年に開基した古いお寺で、一時は全山焼失などの時期もありましたが、1701年には今治城主が開山一千年として本堂を再建したそうです。

不動明王がご本尊です。

祈りの鐘です。

家族を思って鳴らすそうです。

鐘の下にはハートのオブジェが。

テーマパークのようです。

こちらが、吹き流しのあった所ですね。長慶天皇と今治藩主の供養塔だそうです。

今治藩との関係も伺えます。

真言八祖大師堂です。

自由にはいれます。

中は稚児大師と八祖大師がお参りできます。

天井画(花)も豪華です。(指がかかっちゃいました)

納経所です。

南国の建物のようです。

高い建物は阿弥陀堂飛燕閣でした。

1階は拝観させてもらいました。

阿弥陀三尊像が祀られています。

周りのデザインが凝っています。

いろいろ変わった造りの多いお寺で見どころが多かったですが、こういう"ほっと"する景色もありました。

左手は水子地蔵さんでしょうか…。

他にもいろいろな像が建っていましたが、ここでは修行大師像と十二支本尊を…。

ちょっと逆光でした…。

〔補習〕大山祇神社

88カ所を巡った時に、一宮に寄るつもりで寄れなかった所がこの愛媛県・大山祇神社でした。なぜならばしまなみ海道の途中の大三島にあるからなのです。さすがに歩いて寄り道できませんねー。ということで、今治から片道40kmあるのですがせっかくなので行って来たいと思います。

しまなみ海道は高速道路です。

途中のSAの"みきゃん"ファミリー

"ダークみきゃん"て悪そう…。

すでに、14:30になっていますが到着しました。こちらが道路に面した二の鳥居だったようです。

一の鳥居は海岸沿いにあったのかな…。

こちらは全国の大山祇神社、三島神社の総本山で大山積大神が祀られています。山神社の総本山でもあるようです。‥徳島・4番・大日寺の近くや別格1番・大山寺に行く途中にも山神社ありましたっけ。

総門といわれる随身門です。

光ってよくみえません(悪しからず)。

中央にそびえているのが、「乎千命(おちのみこと)御手植の楠」です。樹齢2600年。大山積大神を祀った乎千命が植えたとされています。この木の周りを息を止めて右回りで3周すると願いが叶うとか、この木と一緒に写真を撮ると長生きできるとか、これはパワースポットが好きな方にはたまりませんなー。

結局一緒に撮らず、息を止めて回らずの通行人Aでした。

「神門」が見えてきました。2016年に建てられたものですが、非常に存在感のある門です。

以前は檜皮葺でしたが銅板になったようです。

拝殿【重要文化財】です。格式の高い神社は周りを囲まれていて、雰囲気から違いますね。

檜皮葺が雰囲気を高めているのでしょうか…。

内側の様子です。

大山祇神社楠群【天然記念物】原生林の名残を留めていて38本が指定されています。奥の院に行けなかったのですが、そちらには「生樹の御門(いききのごもん)」という樹齢3000年とも言われる根元に大きな空洞のある樹があったようで、次回の宿題です。

〔不動霊場〕19番・玉蔵院

大山祇神社の見学時間が巻きになったの次の松山市・玉蔵院まで70km以上あって時間が結構かかりそうだからです。これは、「鉄道歴史パーク」や「タオル美術館」に寄ってなくてよかったですよ。

予想どおり、松山市内宮町の玉蔵院には16:50ギリギリに着きました。間に合わなかったら、玉蔵院のために松山に来なくちゃいけなくなるところでした。

非常にコンパクトなお寺…というかお堂という感じです。

587年に聖徳太子により開山された信貴山玉蔵院の分院であるこちらのお寺は、本院と同じく毘沙門天を本尊としています。奥が本堂、手前が納経所です。

今日回った他のお寺が大きかったのでギャップが…。

入口の門柱の左には大師像が立っていました。

門柱の右後に「法挟護童子」がいらっしゃいました。

何となく、藤岡弘、っぽい感じの童子です…。

今回は不動霊場巡りが中心になりましたが、予定内容は無事終了しました。残りの不動霊場については3月にまた来たいと思います。

(おわり)

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