歩き遍路

【歩き遍路34日目】今治市中日吉町「しまなみ温泉 喜助の湯」⇒西条市三芳「伊予三芳駅」(「しまなみ温泉 喜助の湯」)

2021年10月8日

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今日は今治市に6つあるお寺のうち残りの5つ(55番~59番)をお参りします。昨日も述べましたが、宿泊している「喜助の湯」のコストパフォーマンスが非常にいいので、西条市に向かいますが、途中で電車に乗り「喜助の湯」に戻って来る予定です。59番・国分寺までは15km程のようです。あとはどれくらい明日に向けて西条市方面に距離を稼げるかですね…。

ちなみに、明日は西条市の内陸側の別格10番と11番を回る必要があるので、バタンキュー21(BQ21)氏とは別行動で、一足先に歩を進めます。BQ21氏は、百名城巡りのため、午前中は今治城を見学する予定です。

55番・南光坊から巡りましょう!

さて、宿に連泊する旨を話をして、脱衣所のロッカーキーと引き換えに木札を預かりました。これで、今日は空身で行動することができます。朝食はまだですが、市街地なので途中どこかのお店で朝食セットでも食べようと思います。7;10に出発!

宿から徒歩3分の「今治駅」西口(実際は南西)です。

55番・南光坊は「今治駅」の北側に歩いて1km弱です。「今治駅」は高架駅なので潜り抜けて行きます。まだ、7時過ぎなので通勤通学客がちらほら見える程度です。そういえば緑のシマシマ模様「せとうちバス」を見かけないな…。

東口(北東)を出た朝の光景です。

駅前には「今治駅前サイクリングターミナル」なる市営の施設があり、やはりサイクリストの聖地・しまなみ海道に来たことを感じさせます。レンタサイクルはもちろん、組み立てスペースや、自転車の洗車!?の案内もあるようです。

機会があれば橋を自転車で橋を渡ってみたいものです!

駅前から細い道に入り、歩いていると南光坊の裏に出ました。西側に1本行き過ぎたようで、大山祇神社の横から入るような形になりました。北側の四天王の山門がある側は国道317号に面していました。7:21到着。

そういえば、「寺」と呼ばれないお寺はこの55番「南光坊」と68番「神恵院」の2カ所だけですね。(神恵院は「××山△△院○○寺」の院で呼ばれているのでちょっと違うのかもしれませんが…。)それはさて置き、さあお参りましょう。

55番札所
55番・南光坊(なんこうぼう)

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南光坊は塀で囲まれていないので入りやすく、広々と開放感のあるお寺で、朝イチでお参りするのはよい気分でした。平日にかかわらずクルマのお遍路さんが早くからお参りされていました。

56番・泰山寺に向かいます

さあ、続いては泰山寺です。3kmほど南西に歩きます。7:50を過ぎてお腹も空いてきました。昨日、延命寺から市街地に出て来た辺り(今治東高校付近)まで来ると、自転車通学の学生が増えてきました。その先の「すき家」で朝食を取りましょう。

チェーン店での食事は新しい発見は無いですが、間違いはありません!

さて、「鮭朝食」でエネルギー充填が完了しましたので、行動再開です。このまま歩くと今治ICに行ってしまうので、この先のイオンで左に平行する道路に移動しましょう。

四国の県庁所在地に次ぐ第五の都市なので市街地にお店は多数あります。

すき家から20分ほど歩くと泰山寺の駐車場が見えてきました。

お寺は右側ですか…。

この路地を入って行くのですね。

小さな石柱があります。

石柱の後ろに小さな祠がありました。

豪華なお宅にお住まいで…。

少し歩くと石垣が見えてきました。泰山寺はこの上のようです。

お城?

では、お邪魔しましょう。8:53。

56番札所
56番・泰山寺(たいさんじ)

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泰山寺は、市街地から少し出たのどかな高台に立っていました。漆喰の白塀がまぶしいお寺で、境内はそこそこの広さがあり、

57番・栄福寺に向かいます!

さあ、9:20、栄福寺に向けて出発です。10分ほどで東側の国道317号に行きついたので、南下します。

サイクリングロードの水色の線が引いてあります。

今日の宿泊は「喜助の宿」ですが、明日の2つのお寺を巡った後の宿を確認しておかねばなりません。60番・横峰寺は山登りになるため明日の行動は無理なので、その麓に泊まりたいのですが、宿は限られているのです。⇒お目当ての「しこくや」の予約が取れたのでBQ21氏と情報を共有しました。コロナ禍で営業していないこともあり宿のキープは重要です。

などという、やり取りをしながら、「左のパン屋「pao」が旨そうだけど、昼飯には早いしな…。」と考えつつ国道から左に曲がりました。

いい香りがしていたのですが…。

案内板には県道155号直進「丹原 18km 朝倉7km」の表示がありますが、両方とも聞いた事がありません。聞いた事が無い地名は田舎者気分(!?)でなかなか楽しいです。

知らない所に行くのはワクワクします。

ほどなく、「蒼社川」を渡りました。なるほど、泰山寺が建てられた頃はこの川が氾濫を繰り返していたのですね。大師が堤防工事などを指示をされたようですが、令和の時代にいらっしゃれば、異常気象による洪水対策などの指示を仰ぎたいものですが…。

今はのどかな蒼社川の下流を望む。

橋を渡った後、右に折れます。

どんどん郊外に進んで行きます…。

少し歩くと、左にへんろみちの案内が出ています。石柱に「○○廿丁」ってありますが、109m×20≒2.2kmで、栄福寺にしては遠いので、別の地名が書いてあるのかな‥。ちょっとわかりませんでした。

狭いですね!

あ、これは車を運転してたら、脱輪確定です。

なかなか趣のある道ではありますが…。

方向が変わるので、どの方角に進んでいるのかわからなくなってきました。

ここも左で、登るんですね。

そして、坂の途中に出て、登りか下りかわからなくなりかけましたが、ここは登るのが正解でした。栄福寺の駐車場に着きました。

里山のふところといった感じのところでしょうか…。

栄福寺も山門のないお寺ですが、泰山寺とは趣が違います。10:12到着。

左と奥が山になっています。

では、お参りしましょう。

57番札所
57番・栄福寺(えいふくじ)

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栄福寺は小さいながらも緑に囲まれて雰囲気のよいお寺でした。休憩所にはお檀家さんからのお菓子なのかお接待が置いてありました。⇒私の菩提寺でもお彼岸などはお茶と梅干などのお接待がありますが、通常からはなかなかできない"おもてなし"です。

次は、58番・仙遊寺です!

今治市内のお寺巡りなので、松山市のお寺のように、もっと市街地を歩くのかと思っていましたが、この辺りは緑があって良いですね。松山で言うところの46番・浄瑠璃寺、47番・八坂寺の感じかもしれません。さて、続いての仙遊寺はどういった所なのでしょうか?

10:45に出発です。さて、坂を下りていきましょう。

山が近いです。

仙遊寺までは2.5kmなので、さほど距離は離れていません。

しかし、道がローカルな感じになってきました…。

少し歩き、左手が高台になっているところに、用水トンネルの様な「犬塚樋」があり、近くに「犬塚池のいわれ」が案内されていました。それによると、昔、仙遊寺で飼っていた犬が向かいの栄福寺との間を使い走りして可愛がられており、鐘が鳴るとそれぞれの寺に走っていたそうです。ある日、寺の鐘が同時に鳴り、犬はどうしてよいか迷い、ふもとの間を何度も往復しましたが、ついに池に落ちて亡くなってしまいました。両寺のお坊さんはとても悲しみ、池の堤に塚を作って弔い、その塚のある池を犬塚池と呼ぶようになったそうです。

犬塚池から流れてくるようです。

こちらが犬塚です。犬塚池経由の道は通行止めになっていました。

忠犬だったんですね。どうぞ安らかに…。

犬塚池をちらっと見たところ、工事中でした。

水を張ると結構大きそうです。

そういえば「犬」といえば、今BQ21氏と話題に上がっているのが、「犬走タリオ」氏の『弾丸ライナー歩きお遍路』です。この方、1番・霊山寺を4時に出て、22時には徳島の旅館に到着しているのです!!私の3日分を1日で(約72km)、ひえー!この方を見ていると、「45km歩いた」とか「三十何日で結願した」とか自慢気な輩がいますが、そんな事はどうでも良くなりますね。タリオ氏ファイト!(どこかで抜かされるのか…。)

その後、今日一番、山奥感のある所に差し掛かりました。

傾斜も急です。

この後、歩きやすい山道になりました。

そんなに距離はありません。

それから、舗装道路に出ました。道路を越えた所がこちらです。(左側は造成工事をしていているようでした)

次ここに来たら景色が変わっているかもしれません…。

少しずつ登っていましたが、振り返るといい景色です。途中から日差しがきつくなってきました。

すっかり山の中です。

この後、すぐに右からの舗装路と合流し、ヘアピンの急坂をを過ぎると比較的なだらか坂が続きました。

「お遍路の心の旅の憩い寺」の石碑です。

道標があります。「仙遊寺0.1km」なのに「本堂まで徒歩20分」?

次の国分寺へはここから奥に降りるようです。

東屋がありますが、100mで到着なので、休んでる場合ではないですね。

右カーブです。

11:20、仁王門に到着!ここから先は、予想したとおり、手すりのついた階段が続く、45番・岩屋寺のようなアプローチになっていました。休み休み行きたいと思います。(仁王門から本堂までは距離にして400mあり、栄福寺からは標高で200m差がありました。結構登った感じがしたので、もう少しあると思ったのですが…。)

お邪魔をしましょう。

58番札所
58番・仙遊寺(せんゆうじ)

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仙遊寺からは次のような景色が望め、標高250mよりも高く感じられました。住んでいた仙人が雲のように消えてしまったので、仙遊寺と名付けられたのも洒落ていますね。暑くて登るのが大変でしたが、天気のいい日にお参りできてよかったです。

白い煙の上がっているところが海岸線です。

納経所でトマトを購入したら、タオルをいただきました。

トマトはのちほどいただきましょう!

本日のラスト、59番・国分寺に行きましょう!

さて、12:30に仁王門まで戻り、先ほどの国分寺への分岐を下りて行きます。

何か急坂にみえますが…。

ちょっと先に「五郎兵衛坂」の看板がありました。伊予守から奉納された仙遊寺の大太鼓の音が大きすぎて漁ができないと、漁師の五郎兵衛が仙遊寺に乗り込み、大太鼓を破って仏様に悪態をついて帰る際に、この坂で転んで亡くなったという逸話があるようです。そんなに大きな音が鳴る太鼓があったとしたらもの凄い逸品だったのに、何てことをしたんでしょうか…。それに話のオチがいまいちなので笑えませんが…。まあ、気を付けて歩きましょう。

みんなが騒音で困っていたとしたら五郎兵衛は良い事をしたのでしょうか…。

坂を下って行くと、見晴らしのよいポイントがありました!

五郎兵衛さんのお宅はどこかな…。

分岐にやって来ました。右は「智慧文殊尊道」となっていますが、国分寺は左です。

国分寺までは5.9kmです。

ちょっと下ったところで、池が見えてきました。

水草に結構覆われていました。

池の脇を通り、竹林を抜けると舗装道路になります。

左手から出て来ましたが石柱には「されい山」の文字がありました。

細い道をたどり、集落の間を抜けてくると広い道路に出ました。向かいには池が広がっています。

左手には「吉祥禅寺」の案内がありました。

振り向くと山が見えますが、屋根が光って見える所が仙遊寺でしょうか。さあ、この先は海岸線側に移動しましょう。

40分ぐらいで結構移動できるものですね。

予讃線の線路の手前まで来ました。見えている橋は予讃線と川を渡る県道156号で、国分寺の前まで行きます。ここは、右に曲がりましょう。

左に曲がると「伊予富田駅」のようです。

時刻は13:30を過ぎました、どこか良い食堂はないかな…、とgoogle検索で探していると、そごうマートを過ぎた、頓田川手前を数十m入った所に「コットンドール」というウエスタン料理(?)屋さんがありました。これは、入ってみましょう。

カフェっぽいですね。

おー、若干古めな所もありますが、良い感じのお店です。

郊外とは思えませんね。

ランチのセットをいただきました。

ボリュームもありgoodでした!

さて、食事もとりましたので14:15出発です。頓田川を渡ります。

国分寺まではあと少し…。

ニコニコマークのへんろ道に導かれて行きましょう!

おでこのしるしは"ティカ"?いや、それはヒンドゥー教ですね。

「国分寺」左折の案内がある広い分岐にたどり着きました。

この間を入って行くのですね。

路地を抜けて左側に階段が見えていました。霊園に続く道かと思ったのは私だけ…。

山門や石柱がないからでしょうか…。

14:30。さあ、本日ラストのお参りです。

59番札所
59番・国分寺(こくぶんじ)

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何組かクルマお遍路さんが来られましたが、非常に静かな境内でした。

この後はできるだけ南下しておきたいのですが、明日の別格10番・興隆寺は「伊予三芳駅」から歩くのが最適と思われるため、そこまでは行きたいと思います。約10kmあります。14:55にスタートです。

門前のタオルの里「五九楽館」はコロナ禍により休業中でした…。

大発見です!すぐオークションにかけなければっ!

なかなかウィットに富んでいますね。

その後、県道156号をコツコツと歩き、1時間ほどで国道196号に合流しました。そして「今治湯ノ浦IC」の手前に立っていた看板を目にした時、ついツッコんでしまいました。『"20km手前"の広告はないだろ』と!

「あるよ」っていうアピールかな。逆に、行ってみたくなってしまいます。

その後すぐに「道の駅 今治湯ノ浦温泉」に到着しました。トイレの前で金剛杖を自転車の横に固定した40代くらいの男性が休んでいたので話をすると、お遍路を一巡した時にお付き合いした女性とトラブルになって、その方を探しているのか、逃れているのか複雑な状況にあるとのことでした。自転車の写真を撮ろうとすると足がつくとまずい、撮ったらお金もらえますかみたいな…、サスペンス物かスパイ物なのか、フィクションなのかそうでないのかわからない不思議な話でした。四国はいろいろな方を引き寄せる力があるのでしょうか…。

ということで、去り際に撮った道の駅は寂し気に写ってます…。

さて、「伊予三芳駅」まではあと5kmほどです。時刻は16:45。すでにトワイライトゾーンに入っています。

西条方向に電車が走り去りました。

ほどなく、ルートは国道から内陸に入り、予讃線も踏切で越えて行きます。

右に進みます。

道が狭くなり、登って行くとすぐに「西条市」に入りました。

旧東予市となっています。北条、東予、西条といろいろありますな。

国道から分かれて10分ほど歩くと、途中から大きな看板が出ていた「世田薬師」が右側に見えてきました。時間も17:00になりますので、ここはそのまま直進です。

胡瓜封じで病を封じ込めるご祈祷があるそうです。

数分歩くと、海岸線がくびれて対岸のように見えるところに来ました。

この先見えているところも歩くことになりそうですね。

ここで、残念なことに、カメラを起動するための電池が足りなくなりました。駅まで温存しましょう…。

この先は海寄りにルートをとり、30分ほどで「伊予三芳駅」に到着しました。到着したのが17:43ですが、17:40に今治方面行が出発していました…。道の駅で不思議な楽しい話を聞き過ぎたー。次の電車は18:23です。でも、宿は駅から近いのでゆっくり休んで戻りましょう。

待っている間はツバメの観察をしていました。

18:23の松山行に乗りましたが、今治まで30分もかかったので、よく歩いたなと感慨深くなりました。これは、進んでから戻るR&F(列車で進む)の醍醐味で、R&B(列車で戻る)の"明日ここを歩くのか…"と大きく違いますね!

18:55に今治駅に到着して、19;00には「喜助の湯」に戻ることができました。めでたし、めでたし。

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