歩き遍路

【歩き遍路41日目】観音寺市池之尻町「かんぽの宿観音寺」⇒琴平町榎井「琴平パークホテル」

2021年11月15日

今日のメニュー

今日は、まず北西の海岸沿いへ5km弱進み、68、69番の神恵院、観音寺をそれぞれお参りします。それから東に5km弱進んで、70番・本山寺をお参りします。その後、通常であれば北上して善通寺市に入り、市内の72~76番のいずれかまで打って宿泊するのが定石なのでしょうが、別格17番・神野(かんの)寺がそこから13kmほど南東にあり、順番に打つと往復しなくてはならないので、同じ所を往復をしたくないのと、明日は雨になりそうなので、今日は70番から別格17番まで一気に東北東に20km歩いてしまおうと思います。その後、琴平のホテルが良さそうなのでそこで宿泊します。合計35kmはありそうです。

いくつか不安な点としては、70番から別格17番はまったくのへんろみちではない点と、明日の71~76番が逆打ちになる点です(逆打ちは看板が出ていないことがあり、場所によっては難解なことがあります。)。特に、全部を順打ちでなくてはいけないとは思ってないのですし、ひらめいてこのルートを選択してしまったので、自分を信じましょう。うん。

まずは68番・神恵院、69番・観音寺を目指しましょう!

2つのお寺が行先になっているのは、八十八カ所中珍しい事にお寺が同居しているからです。江戸時代の68番は近くの琴弾八幡宮が札所だったのですが、明治の廃仏毀釈で神社から切り離すこととなり、もともと八幡宮の別当寺(神社を管理するお寺)だった「観音寺」の境内に移して「神恵院」になったそうです。当時の政治に翻弄されて、関係者はさぞ大変だっただろうと思います…。

さて、朝食は昨日コンビニで調達したものを食べて「かんぽの宿」を出発です。6:25。

温泉もありリラックスできました。

ちなみに「観音寺」の市名は「かんおんじ」なのですが、お寺は「かんのんじ」です(徳島の16番は「かんおんじ」)。忍者の里「甲賀」が、市名は「こうか」で一般には「こうが」と呼ぶのと同じでややこしいですね。東京では「尾久」があるか…。まあ、地名だからしょうがないですね。

観音寺市街に向けて歩いていきます。香川県に入ったと感じるのは、大きな「ため池」を見た時です。やはり降水量が少ないせいなのか、ずっと水が張ってあるので水はキレイとは言い難くちょっと臭いのするところもあるように思います。

四国山地を隔てて水事情が異なるのを目のあたりにしました。

45分ほど歩いて、予讃線の線路を横断します。左手側の線路には「観音寺駅」のホームが見えています。

そんなに大きな駅ではなさそうですが、市街地は開けています。

今日は薄曇りですが、気温は暑くなりそうな感じがします。そういえば、明日から7月なので暑いはずです。高知県までは空梅雨でありがたかったですが、月日が進むにつれそれもきつくなってきました…。

一の谷川を渡ります。

google mapでショートカットして行こうとしていたら、町中に入り込んで分かりにくくなってしまいしました…。近くのお母さんが「観音寺ならこの先を…」「ちょっとついて来て、この駐車場を抜けて…」と、2ブロックほど道案内してくれました。早速、讃岐の方の親切に触れました。この町中歩きで、橋一つ分上流側にずれたようです。

おかあさんも別格を回って、数珠を仕立てたそうです。

財田川を渡ります。この上流の旧財田村の冤罪事件で有名ですが、「財田事件」ではなく「財田川事件」になったのは裁判長が「財田川よ真実を教えてほしい」と表現したからだそうで、川にとってはちょっと迷惑な話かもしれませんね。

染川橋を渡るとお寺は目と鼻の先です。

染川橋から真っすぐ来て「←神恵院・観音寺」の看板が見えました。こちらは車で来る時のルートのようです。

自転車の高校生のあたりを左ですね。

では、お参りに向かいましょう。

梧桐庵側から境内を望む。

68番札所
68番・神恵院(じんねいん)

続きを見る

69番札所
69番・観音寺(かんのんじ)

続きを見る

神恵院の本堂はコンクリート打ち放しでインパクト大でしたが、本堂自体がビルのようになっている訳ではなく、前室が箱型になっている感じですね。とにかく、斬新さでは61番・香園寺と双璧を成しますね。こちらのお寺は琴引山のふところに立ち、クスノキの巨木などもあることから雰囲気のあるお寺でした(神恵院の本堂は後ろに隠れているので景観を損ねる事もないからでしょうか)。

貴重品だけ持って「銭形砂絵」を見にいきましょう。以前、車で来た時に見たことがあるのですが、外から行くのかな…。(いったん外に出て北側の観音寺中学の方を回り、琴弾公園から登り直したので時間がかかりましたが、薬師堂の横から登って行くとすぐに着きます。)

光の加減で文字が見えにくいです。

銭形砂絵は「寛永10年(1633年)に藩主、生駒高俊公を歓迎するために一夜にして作られたと言われており、この砂絵を見れば健康で長生きし、お金に不自由しない」とのことです。(観音寺市HPより)

「健康でお金持ち」とはスゴイご利益ですね!

70番・本山寺に向かいます。

さて、銭形砂絵を見学して、9:00に出発です。(展望台への時間がかからなければ琴弾八幡宮も寄りたいところでした…)仁王門から真っすぐ歩くと、古い感じの軒並みがありました。

伝統的町並みではないてすが、こういう普通のたたずまいが良いですね。

財田川沿いを左に桑山という山を見て東に向かいます。

桑山の裾野が見えています。また"ため池"があります。

結構、暑くなってきました。3kmほど歩いたところに「かなくま餅」の看板がありますが、営業が10:00からのようで、ここは泣く泣くスルーしましょう。

現在9:30なので…。

実は、「かなくま餅」あたりで財田川と一緒に右に曲がるのが正解でした。竿川と一緒に少し真っすぐ歩いてしまったので、右に方向修正します。

これは竿川でした。右に向かいます。

ここで、バタンキュー21氏から連絡が入りました。うわー、「かなくま餅」のうどんはおいしいのかー!やっぱり残念!

予讃線を渡って、民家の間を抜けて、10:10に本山寺に着きました。

ふむふむ、結構広そうですね。

仁王門があるけど塀がありません。ずいぶんオープンで大きなお寺です。さっそく、入りましょう。

70番札所
70番・本山寺(もとやまじ)

続きを見る

五重塔もあって、何か奈良にでも来たかのような感じがありました(鹿でもいればね…)。穏やかな日差しの中訪れたくなるようなお寺でした(しかし、今日は日差しが過酷でした)。

通常ルートを外れて別格17番に向かいます。

さて、10:50に本山寺を出発して、琴平・まんのう町方面に向かう訳ですが、食事をする店がないと困るので、歩いて15分ほどの「youmeタウン三豊」で物色したいと思います。

「中華料理花梨」というお店で「レバニラ定食」をいただくことにしました。

レバニラに"しめじ"が入っているのが珍しいですが悪くはないです。

さて、しっかり食べたので、しっかり歩きましょう!11:30に再スタートです。県道225号を東に進みます。出だしはセンターラインの無いような細い道路です。

道端にワレモコウのような花が咲いています。

道は広くなってきました。

郊外の街並みといった感じで、蔵なども見られます。

三豊市高瀬町に入りました。三豊市は、昔の三野郡と豊田郡が合併した三豊郡が元となっています。でも、ほとんど、豊田郡は観音寺市なので、三野市でも良かったような気がします。(でも、一度合併して名前をくっつけると、元が分からなくなっちゃうんですね。大田区が大森区∔蒲田区だったように…)この先の県道24号とクロスするので北に進路を取ります。12:05。

高瀬町をだいぶ北上しました。本村というバス停手前です。13:05。

雲があるのですが、今日は暑いです…。

行く手に目立つ朝日山が見えてきました。城が立っているので調べてみると麻口城という森林公園の中の資料館のようです。

桜の名所とのこと。

JAのお店が見えてきたので、入ってみると「もも」が安かった!4個もあるのに買ってしまいました。途中で食べるとこがあれば補給します。

暑くなってきたので水菓子は有効です。

さて、このまま県道24号を進むと善通寺に行ってしまうので、右(東)の琴平方面の県道23号へ入ります。現在、高瀬町下麻で13:55です。

高瀬町で2時間近く歩いています。高瀬町恐るべし…。

県道23号に入ってちょっとすると登り坂が始まりました。ある程度登るとようやく「まんのう町」に入りました。

結構、暑い中の登りでこたえました…。

やはり「ため池」が目に付きます。

ここは緑の大群に水面が支配されていました。

次の交差点で真っすぐ行けば早く着きそうなのですが、google mapは一旦北に行くようにとのことなので、国道377号を左、琴平方面に曲がります。なお、右に曲がると67番・大興寺の方に行く事ができます(萩原寺から大興寺に行くときに歩いていた国道です)。

距離は近くてもアップダウンがあると大変なのです…。

琴平に近いからか、観光バス予約センターやバスの駐車場が増えてきました。

道が下りぎみになって行きます。

先ほど一旦「琴平町」に入ったのですが、また「まんのう町」に戻りました。別格17番・神野寺は「まんのう町」のシンボルともいえる満濃池のほとりに立っています。

ぐんぐん下ってこの先、国道32号とぶつかります。

交差点を直進しますが、国道32号は右(南)から来て、この交差点で曲がるため直進が国道32号となりました。真っすぐ行くと高松に行く事ができます。左手には「西村ジョイ」なるホームセンターやら他のお店も目立つようになってきました。ここから宿までは1.2kmほどですが、荷物を預けている時間がないのでこのまま向かいます。15:34。

「高松30km」なので一日で歩けますよ。

国道を400mほどあるいたところで右(東)の細い道路に移り、斜面を登って行きます。別格17番は方向的に南東方向なのです。

トワイライトゾーンに入り、疲れています。

この地点から後ろを振り向くと山が見えますが、あれが金毘羅のお山かと思われます。そういえば、国道32号を南に進むと20kmほどで別格15番・箸蔵寺に行けますが、金毘羅様を祀ったのお寺同士は意外に近いのですね。(琴平の金毘羅様は松尾寺に祀られています。私も箸蔵寺に行って教えてもらった事で、普通の観光客はそんなことは分かりません…)

金毘羅様は日夜、琴平と箸蔵を往来するとの事ですが、国道32号を使う?

この先、土讃線の踏切がありますが、ちょうど列車が通過していきました。

土讃線は箸蔵も通ります。

線路を越えると金倉(かなくら)川が流れており、この川は満濃池から流れてきているようです。途中まで遡ります。ちなみに、金倉川は76番・金倉(こんぞう)寺の脇を流れていくのですが、駅名の「金蔵寺」と「くら」の字が違うのですね。

「金倉」ってどれだけの財宝保管していたのでしょうか…。

「金倉川」は雑草に占拠されていて、川筋が確認できません!

こりゃ、増水した時は分かりにくいね…。

途中から県道197号に入り、南下しています。さすがに疲れてきましたがまだ2kmほどあるようので、ラストスパートです。16:12。

景色が単調になってきた…。(いやたぶん疲れている…)

5分後に「神野自衛消防団屯所」という「神野」がついた建物が見えてきたので、近づいているのは確かです。

「屯所」って軍隊っぽいですね。

この後、コツコツと歩き続け、池の手前から登りになり(堤になので仕方がない)ようやく、神野寺にたどり着きました。16:40。納経時間もセーフ。

満濃池は大きいので画角に収まりません。

別格17番
別格17番・神野寺(かんのじ)

続きを見る

神野寺は満濃池のほとりに立つ小さなお寺で、満濃池を見つめる弘法大師像が大師堂の代わりになっています。三年経っても完成しなかったため池工事が、大師を派遣したところ三か月で完成させてしまったというのは大師が土木工学にも精通していたということでしょう。また、村人も協力したんでしょうね。日本一のため池が完成してよかったです。

龍が住んでいるそうです。起こさないようにして帰りましょう。

お参りが済んだら、夕立が降ってきました。17:10出発。

少しでも涼しくなるなら大歓迎!

来る時とは別の道で琴平に向かいます。

一両の土讃線の列車…。(一両で"列"車は正しいのでしょうか…)

ローカルな景色を楽しみつつ移動します。

やはり涼しくなりました。よかったです。

カメラの起動ができなくなったので、今日はこれまで。

あともう少し…。

「琴平パークホテル」には18:30頃到着しました。まだ、雨も降っているので今日は宿の前のマルナカ(スーパーマーケット)で食料を調達して、最上階の展望風呂に入ってゆっくりしたいと思います。では、また。

←40日目 42日目→

-歩き遍路

© 2024 ひかり たび Powered by AFFINGER5