ゴールデン・トライアングル作戦で巡ろう!
今日のメニューは、昨日ルート上の旅館に泊まれなかったので、これから歩くルートの上の宿に移動して宿泊した訳ですが、次の図のように、室戸岬が半島になっているため、横にちょっと移動しただけで行けてしまいます。何のメリットがあるかって?⇒実は、宿に大きな荷物を置いて、必要な物(納経帳や線香など)だけを持った行動ができる訳です。山の用語で「空身(からみ)」といいます。
昨日のポイントへGO!
宿の部屋からの風景です。今日は天気がいいです。岬に行くには最適です!
6:15ごろ出発しました。徒歩、6~7分ほどで室戸市役所バス停に着きます。
今日は、朝食無しなので、「室戸市役所前」至近のローソンで調達して腹ごしらえをしました。
6:37のバスで、西側の室戸市中心部から、東側の室戸世界ジオパークセンターへ一気に移動します。6:47到着しました。
人によって、歩き遍路についてルールを作っている場合があります。全く交通機関を使わない人、お接待で車などに乗っていくのを勧められたら乗車する人、きつい場合は自ら交通機関を使う人…etc。別に、これは競技ではないので同じ条件でなくていいのです。
私は、ルートをすべて歩くつもりではいますが、あるポイントで終了させて交通機関を使用したら、そこまで戻る方式を取ります。今回、バスでポイントまで戻りましたので、B&B(BUSでBACKする)戦法と名付けました。「もみじまんじゅう!」⇒このギャグは若い人には分かりませんね。第一次漫才ブームで「B&B」という漫才コンビがおりました。「笑っていいとも」の前番組「笑ってる場合ですよ」のMCでしたね。
24番・最御崎寺を目指す。
6:54。おしゃれヘンロ小屋の建つ、ジオパークセンターを出発!
太陽を左から浴びて、南に進んで行くと5分ほどで、バスが右手から下りてきた交差点にやって来ました。下りてきたというのは右手の山を見てわかるとおり、半島の中ほどを横切るところは山になっていて三津坂というところを通るためです。
途中、津波対策なのか、コンクリートで囲んでしまった家がありました…。陽が当たらないのではとも思ったが、風よけなどの効果もあるのかもしれません。
やはり、空身で歩くと好調です。10分少々で巨大な大師様が現れました。むむっ、「進撃の大師様」かっ!
カラフルな仁王様に守られていました。大師は室戸の地で難行苦行を行い、悟りを開いたのです。
言ってるそばから、それから5分後、洞窟のようなところが見えてきました。「みくろ洞」というところです。大師が修行をした所です。
こちらで修行をされたのでしょう。
この洞窟から見た景色が、空と海だけだったので「空海」という名が生まれたそうですが、当時は海面がすぐそこまで見えていたようです。
もう一つの洞窟。
さあ、24番・最御崎寺と岬に向かいましょう。
8:25。いよいよ案内板が出てきました。国道と別れて高台に登っていきます。
慰霊碑の左を山の方に進んで行きます。
途中に捻岩(ねじりいわ)という岩があります。大師の母が大師の身を案じて女人禁制の山に入り、仏の怒りにより嵐になったところを、大師が岩を捻じって母を避難させたといわれています。
道は歩きやすいですが、意外と登ります。
一息つきながら15分ほど登って、ようやく山門に着きました。
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24番・最御岬寺(ほつみさきじ)
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岬の静かな森の中に最御崎寺は建っていました。広い境内に存在感のある建物が並び、天気の良い朝にお参りしたこともあり、木洩れ日が心地よく、良いひと時でした。
室戸岬に向かおうとすると…。おやっ、「立入禁止」で行けません。
本来であれば、下の様な景色が広がっていた筈です。
25番・津照寺≒お宿に戻りましょう。
気を取り直して、宿に帰って25番・津照寺にお参りしましょう!9:10ごろ出発です!
最御崎寺に来るときにだいぶ登らされましたが、それは、寺を出てから実感できました。次のような景色が広がっていたからです。これは、空海∔緑です!
写真右の坂を下っていると、若い女性の歩きお遍路さんが登って来たので挨拶しました。「歩き遍路なんて私は無理!」と言われる方に見せてあげたくなるような、普通の方でした。荷物もそれなりの大きさを背負っていました。自論ですが、山登りなどで目的の場所に行くためには「気力、体力、時の運」が必要だと思っていますが、お遍路でも「気力」は大事です。この方も「気力」があるのでしょう。写真は撮り忘れましたが…。
下って、30分ほど歩くと、室戸岬港を通ります。
途中、お世話になった高知東部交通の室戸営業所がありましたが、1台、レトロな感じのバスが止まっていたので撮影しました。とさでん交通のお下がりの旧塗色でしょうか。乗り物好きとしては、方向字幕の車両は、変更する時にいろいろな行先が見られて楽しいものでした。今はLED表示のため、速攻で「回送」が表示されてしまい、寂しい限りです。
国道から1本内側に入った道を進みます。10:18。
ようやく、宿のある室津港と室戸市役所(国道55号)の分岐まで来ました。10:30。
ほどなく、室津港が見えてきました。
宿の数軒手前に津照寺に続く道があります。25番・津照寺に着きました。10:50。
右手に「夫婦善哉」という店がありましたが、大阪のように「ぜんざい」屋さんではなく、名物はどら焼きのようでした。
小さな門を抜け、石段を登り切ったところに本堂はありますが、まだ午前中なので、階段も朗らかです♪本堂は沖縄の建物のようなユニークな感じでした。
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24番・最御岬寺(ほつみさきじ)
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津照寺は津寺として海上安全の「かじ取り地蔵」が祀られた寺で、港を見下ろす高台に建っています。かじ取りは「火事」取りにもつながるということで、火難除けのご利益もあるそうです。愛宕神社や秋葉神社のような役割でしょうか。コンパクトな境内は、景色が良くのんびりしたくなるような所でした。天気の良い日に来れて良かったです。
室戸三山のトリ・26番・金剛頂寺へ
さて、空身の旅も終了です。太田旅館で荷物を受け取り、金剛頂寺へ向かいましょう!
若女将さん、高知・室戸事情をいろいろ教えてくれてありがとうございました!11:20ごろ出発です。
街中で食事処を見つけようとしたのですが、適当なところがなく歩いているうちに郊外に来てしまいました。すでに12:00になっています。今までの経験上、これはヤバいなと思ったので、「元橋」というバス停前の雑貨屋に牛乳瓶のケースを見つけたので入ってみました。
やはり牛乳のあるところには、セットでパンもありました。とりあえず、腹の足しにしましょ…、これ、旨いよ!高田牛乳も特濃に偽りなし!以前購入したパンは大阪で作られた期限切れでしたが、これは室戸で作られたものでした。この雑貨屋は当たりでした。お遍路さん用に残してもらいたいものです。
さて、10分ほどで民宿「うらしま」前の休憩所に着きました。雑貨屋で休んだばかりですが、朝に比べて気温が上がってきました。ちょっと休みましょう。ここから内陸に歩いて山を上ったところに目指すお寺はあるようです。
行動開始。やはり、山に入る雰囲気あり。
左に折れると、金剛頂寺の案内板があります。住宅地を抜けて、山に突っ込んでいく感じです。
徐々に、それらしくなってきました。
徐々によくある、山道のへんろみちになりました。
へんろころがし6/6を思い出す様な急なところもありました。
両脇に果樹園の様な所が見えてくると、出口が近いです。この間、約15分少々。
はい、看板が見えてきました。そんなに長くない登りですが、ちと、こたえます。
なんだかんだ言っても、歩いていれば到着するもので、12:40到着!仁王門まで、男女の厄除けの数に合わせた石段がありますが、左の石碑の横に荷物を置いて往復します。
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26番・金剛頂寺(こんごうちょうじ)
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金剛頂寺は、最御崎寺が「西寺」なのに対して「東寺」と呼ばれているお寺で、平安時代は室戸市の大部分が寺の領地だったそうです。今も石段を上った境内は広くて、ゆったりとしています。「一粒万倍の釜」は大師が3合3勺の米を炊いたところ1万倍に増えたという話が残っています。
本日の宿泊地、奈半利(なはり)方面に向かう。
さて、目的の室戸三山のお参りも済んだのでお宿に向かいましょう。今日の宿泊地は、奈半利に近い所です。高知駅から出ている、土佐くろしお鉄道「ごめん・なはり線」の終点です。
ちなみに「ごめん」は「御免」という地名で、そこから高知市街を通り西の「伊野」まで「とさでん」という路面電車が走っています。「ごめん」⇒「いーの」掛け合いは、横浜線の隣あった各駅「大口」「菊名」「小机」⇒「大口聞くな!小突くえ!」と合わせて名フレーズだと思います。
13:30ごろ、先ほどの山道を下り、google mapを頼りに、来た時の1本北側の道を進みます。(後でわかったのですが、西側の行当岬までの道があったのです。地元の人にも聞いたのですが…。やはりへんろみち保存協力会の地図があると違います!)
20分ほどすると、国道から内陸寄りの旧道を歩いていました。
ネコさんは日陰で仰向けになって涼んでいましたが、私が来たので慌てていました。
14:30ごろになりましたが、パン1個でお腹かすいてきたので、食事にしたいので検索すると喫茶店のようなところがありました…。が、この先の国道沿いに道の駅「キラメッセ室戸」があるのでスルーしました。しかし、レストラン「食遊・鯨の郷」に行ってみると…まさかの「月曜日休業」。おー!「まさに大どんでん返し!」(byとんねるず)。やられました!道の駅に休業日があるとはー。この後の歩きが遅くなったのは間違いありません…。
室戸市吉良川町の東ノ川を渡ります。15:24。すでにトワイライト・ゾーン突入!お腹も減ってるゾーンです!まだ、奈半利まで15kmはあります。
ところが、川を渡ってすぐの所で、スーパーマーケット崩れ(?)の雑貨屋を発見!パンとアイスを調達しました。写真が無いのは一杯いっぱいだったからでしょうか…。
一応、空腹は満たして旧道を辿ります。おー、伝統的建築物の保存地区でした!
そういえば、東ノ川と西ノ川のセットで吉良川なんだろうか?キラメッセは地名から取ってるんだね…。
16:15ごろ。旧道が国道と合流した地点で休憩しました。今日の宿は、この旅初めてのゲストハウス「お遍路ハウス美園」ですが、夕食はつけてくれるそうなので、宿に現在位置を電話しました。体力的につらいので、バスを使って宿に向かうことを検討します。
17:10ごろ。羽根川という川を渡りました。googleで検索すると、20分後にジオパークから来るバスが近辺を通るので、通り過ぎないバス停を見定めます。
現在17:17。「羽根病院」というバス停ですが、17:24にやって来る予定です。
今日は9.6km残してしまいました。明日、また来るよ!
宿泊するところは、実は奈半利町ではなく、隣の田野町でした。バスは「田野芝入口」の停留所で降りました。田野町は四国で一番小さい自治体(6.53㎢)にもかかわらず、人口は高知市に次いで2位の所です。私が住む、台東区も23区で一番小さいですが、10.11㎢なので5/8ぐらいですね。(昔、5/8チップスというポテトチップスがありましたねー。)
入口に横になった看板の様なものがあったので、チャイムを押すとお母さんが迎えてくれました。建物は新しく、親戚の家に来たかのようです。何人かが宿泊する際は、2階にまとめてとまるのでしょうが、本日は貸し切り状態です。
聞けば、「美園」はお母さんの名前で、2世帯住宅にお母さんしか住まなくなったのでゲストハウスを始めたそうです。また、この方がパワフルで、以前は田野町議会議員をされていて、この春町長選挙に出られたそうで、入口にあったのは選挙用の看板だったのです。
家庭料理をいただきました。あと、写真を撮り忘れましたが、「小夏」というみかんがおいしかった!黄色い皮は包丁でむくのですか、内側の白い皮をできるだけ残して、場合によっては塩をかけて食べるのです。
洗濯はお母さんにしていただけるという事なのでよろしくお願いします。
では、明日もいろいろありそうだけど、おやすみなさい!
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