雑記帖

紋章について~前編

2023年1月13日

先日、浅草名所七福神を巡った際に、浅草寺と浅草神社でそれぞれ「鎹(かすがい)山紋」と「三網紋」の紋章を見かけました。日本には多くの家紋が存在しますが、その種類は5000種類以上あって、昔から海外からはデザインとして注目を集めて来たようです。これらは、植物、動物、幾何学模様などを組み込んで美しいデザインを限られた正方形の中で表現していますが、素晴らしいのはそのデザインだけでなく、その紋を再現する染物職人、工芸職人の技術もあるのだと思います。『「丸に三網」を作ってくれと』いったら同じ形のデザインを再現するのは日本の職人の成せる技だと思います(網目が多すぎるから少し省略しようっていう職人がいたら困っちゃいますよね…)。ここで、急に戦争の話ですが…、ロシアの戦車の『「Z」マーク』が話題に上りましたが、日本であればあんな風に雑にスプレーで描かずに、最低でも型枠を作ってスプレーして同じ形のデザインにするのではないかと思います。日本は家紋の類により、戦の旗印も同様に洗練されていると思います。⇒何より平和が一番ですが!

さて、家紋の話から始まりましたが、今日の話題はちょっとずれて、市のマーク「市章」等です。旅先に行って市境を跨ぐ時には「××市」の看板が掲げてあり、その横に「市章」か「シンボルマーク」が付いていると思います。一つずつ見ていくとデザインに凝ったものから、なんでこの形にしたのかなというのもあったりして、出かけるのが楽しくなります。ということで、一部をご紹介したいと思います。

①市の名称を形にしたタイプ

普通は市の名前を形にしようとするパターンが多いですが、次の2つはシンプルなのによく作ったなという例です。いずれも政令指定都市で見る機会が多いので知っている人は多いでしょう。

左が、『横浜市』です。上が「ハ」、下が「マ」になっています。上下の三角部分を上手く切り返すことで、特に下の「マ」を成立させているところがスゴイですね。

右は、『仙台市』です。ぱっと見ると「川」のつく市かと思ってしまいます。縦線の中央と右の2つの側が「山」になっているのが分かると全容が分かるのです。《個人的に市章大賞!》

でも、私としてはもう少し緩くてツッコミどころがある方が楽しめます。次の2つはよくあるタイプと凝っているタイプです。


左は『国分寺市』です。「コク」のカタカナが外周にあり、「分」が中に入っています。外周をカタカナで囲むパターンはかなり多いのですが、強引なケースもあるので注意が必要です。こちらは分かりやすい、普通のケースです(笑)。

右は『浪江町』です。全体で「な」を表し横棒の羽が「ミ」、丸の中の白抜き部分が「エ」を表しています。わかりやすいかと言われれば「?」ですが、攻めの姿勢は伝わってきます!

②その地域にちなんでいるタイプ

前出の『浪江町』のデザインのように鳥や羽の形を入れて意味(飛翔、上昇)を持たせるパターンはよくありますが、その描いたもの自体がご当地ネタである場合もありますね。近畿地方から2つどうぞ…。

左は『大阪市』です。「八百八橋」と呼ばれた水の都「大阪」だけあって、湾内の水路の標識「澪標(みおつくし)」がそのまま市章になっています。昔は大阪市営バスに市章が付いていたイメージが強いのですが、最近民営化したのでなくなってしまったようです。

右は『大阪府』の府章です。「O」は「OSAKA」、下の「O」から三方向に伸びることを表しているそうで、太閤殿の「千成びょうたん」がモチーフとなり、連帯、結束も表しているそうです。単純に「大」の字にしないでオリジナルの形なのは良いですね。(でも若干、ピップエレキバンぼかったりして…)

次の2つは、これは「うちの市だからです」と言われたら「そうですよね」としか言えないズバリそのものを描いているパターンです。

左は『舞鶴市』、右は『桐生市』です。それぞれ、「鶴」と「桐の花と葉」がデザインされているので文句のつけようがありません(デザインが好きか嫌いかはありますが…)。『桐生市』は花札の桐と違ってカワイイ感じになっていますなー。

まだありますが、後編で紹介したいと思います。

⇒後編

-雑記帖

© 2024 ひかり たび Powered by AFFINGER5