遍路旅 雑記帖

「遍路ころがし」について(後編)

「遍路ころがし」の13番・焼山寺が終わった後は、さすがに体力に自信がある人でも徐々に疲れが出て、徳島市を過ぎた5日目頃にはしんどくなっているのではないでしょうか。

とはいえ、初めの「遍路ころがし」を過ぎてしまえば次の「遍路ころがし」の20番・鶴林寺、21番・太龍寺は何とか歩き切ることができるのではないかと思います。というのも、それぞれ傾斜はさほどではなく、太龍寺については下りで舗装路を選択することもできるからです。10番後半になってくると、宿でゆっくりしている時は這っているような状態で、ただ、歩き始めれば何とか歩けてしまえる状態でした(もちろんマメなど痛い所もある…)。私は徳島県の終わりから高知市の入口が疲れのピークだったようで、高知市以降は不思議な事にそこまで痛みを感じなくなりました。高知のあたりで"足ができる"という説もあるようです。

さて、「遍路ころがし」ですが、「その他の場所は大丈夫なのか?」と聞かれたら、「実は意外な強敵が予期しない所で現れました」と答えます。香川県と徳島県の境に建つ66番・雲辺寺は88カ所中最高所の910mほどと聞いていたので用心していたのですが、強敵はその前、愛媛・今治から西条に入った所で訪れました。「60番・横峯寺です」

横峯寺の未舗装路。始めは沢沿いをたどって行く。

西日本最高所1982mの石鎚山の北側に建ち、山号も「石鈇(いしづち)山」と表しています。とはいっても石鎚山に登る訳ではないからと高をくくっていたのですが、未舗装に入ると焼山寺と違って結構高度を稼いでいくんですね(標高は焼山寺より高い735mでした)。

未舗装路は3.5km。沢を離れると傾斜が増す。

焼山寺をギザギザな形だとするならば、横峰寺は三角形ですね。未舗装部分の登りは1時間~1時間半、下りも1時間半~2時間くらいです。ただ、麓の国道11号線付近からの登り下りを含めると5時間はかかります。この舗装路からのアプローチを含めても意外と疲れが蓄積されました…。

バタンキュー21氏、騙し騙し登る。

ちなみに、用心していた雲辺寺は3つのルートがあるのですが、境目トンネルを抜けて佐野から登るルートでは池田PA脇の未舗装路から45分間は傾斜が急でしたが、その後30分は尾根道を歩き、舗装路に出た後も登りはきつくありませんでした。

最後に、「へんろころがし」などの昔ながらの道は先人が歩きやすく施工してくれているので、感謝、感謝です。最近の異常気象などで昔からの道が傷まないことを祈ります。

アップダウンするところを堤状に整えた焼山寺へ続く道。

(おわり)

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